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地域とともに育む「食べる力」。ライフと学ぶ食育体験|すみだ中和こころ保育園

都内に24の保育園を運営する社会福祉法人・東京児童協会では、子どもの育ちは保育園だけで完結するものではなく、家庭や地域など、さまざまな人との関わりの中で育まれるものだと考えています。
そのため、保育者だけではなく、地域で暮らし、働く人たちとの出会いを大切にしながら、子どもたちの「生きる力」を育む保育を実践しています。
すみだ中和こころ保育園で実施した、地域のスーパーマーケット・ライフによる食育体験も、その取り組みのひとつです。
目次
ライフさんとのつながり
すみだ中和こころ保育園はスーパーマーケット・ライフに隣接しており、日頃から保育活動の中でお店を訪れることも少なくありません。子どもたちにとっても身近な存在で、「店員の〇〇さん」と名前を覚えるほど、日常的な関わりがあります。

東京児童協会では、日々の保育の中で食育に力を入れています。食材についてわからないことがあったときや、実際に食材を買いに行くときには、ライフを訪れることもあります。
あるとき、梅シロップを作るために、子どもたちが氷砂糖を買いに行きました。「氷砂糖」という名前の響きから、「アイス売り場かな?」と店内を見て回る子どもたち。しかし、そこに氷砂糖はありません。そこで店員さんに「氷砂糖はどこですか?」と尋ね、氷砂糖がどんなものなのか、どこに売っているのかを教えてもらいました。
職員が「氷砂糖はこういうもので、ここに売っているよ」と教えることは簡単です。しかし、実際にお店へ足を運び、店員さんとのやりとりを通して食材を知ることで、知識は実体験と結びついた、より深い学びになっていきます。
仕事の手を止め、子どもたちに食材について丁寧に教えてくださるライフの皆さん。そんな日々の関わりがあるからこそ、すみだ中和こころ保育園の子どもたちにとって、食育は特別な活動ではなく、日常の中にある身近な学びになっています。
「今日の朝ごはんは何を食べてきたかな?」

そうした日々のつながりから今回、 株式会社ライフコーポレーション・サステナビリティ推進部の谷口真美さんが園児たちに朝食の大切さ・バランスのよい食事について体験学習を行ってくださる機会がありました。
食育インストラクターとして、都内の保育園や小学校を訪れているそう。
子どもたちに、「今日の朝ごはんは、何を食べてきたかな?」と問いかけます。
「ごはん!」「パン!」「ヨーグルト!」「ウインナー!」と、元気な声が次々と響きます。

今回の体験会は、子どもたちが事前に描いた「朝ごはん」の絵を紹介するところからはじまりました。
自分が食べてきた朝食を振り返ることで、「食べること」をより身近に感じられるよう工夫された導入です。

谷口さんは、「朝ごはんは食べてきたかな?」と一人ひとりに優しく声をかけながら、子どもたちの話に丁寧に耳を傾けていました。
紙芝居で楽しく学ぶ「食べること」の大切さ

続いてはじまったのは、動物たちが登場する紙芝居。
朝ごはんを食べなかったお猿さん、野菜が苦手なキツネ、おやつを食べ過ぎてしまったウサギなど、それぞれの物語を通して、「どうしてこうなったのかな?」と子どもたちに問いかけます。
「朝ごはんを食べなかったから!」
「野菜を食べなかったから!」

子どもたちは次々に手を挙げ、自分の言葉で答えていました。
一方的に知識を伝えるのではなく、子どもたち自身が考え、発言しながら学びを深めていく姿が印象的でした。
「赤・黄・緑」で知る食べ物の役割

食べ物を「赤・黄・緑」の三色食品群に分け、それぞれの働きについて学びました。
「チーズは牛乳からできている!」
「豆腐は大豆!」
クイズ形式で進む授業に、子どもたちは積極的に参加します。
「じゃあ、みんなの朝ごはんを思い出して。この3つの色の食べ物は入っていたかな?」
「もし足りない色があったら、その色の食材も食べるようにしようね」
自分たちの朝ごはんを振り返ることで、「朝ごはんを食べる大切さ」から一歩進み、「バランスよく食べること」の大切さにも気づくことができました。
さらに、トマトや大根、かぼちゃが登場する野菜クイズでは、「ライフにはいろいろな種類のトマトがあるよ」「かぼちゃは食べやすいように切って販売しているよ」といったスーパーならではのお話もあり、子どもたちは興味津々。
1日に食べたい野菜や果物の量を手の大きさで表した「野菜はグー5個分、果物はグー2個分」という「ファイブ・ア・デイ」も紹介され、 「おうちの人にも教える!」という声が聞かれる場面もありました。
学びを日々の保育へつなげる

食育体験の最後、保育士が子どもたちにこう声を掛けました。
「園にも同じ三色食品群の表があるね。今日の給食では、赤・黄・緑がそろっているか見てみよう」
その言葉には、今回の学びをイベントだけで終わらせず、毎日の生活へとつなげていくための声かけです。
さらに、「みんなが食べている給食には、実はいつも赤・黄・緑がそろっているんだよ。調理の先生たちが、みんなの体のことを考えて作ってくれているんだね」と伝えると、子どもたちは「え!」と驚いた表情を見せました。
いつも何気なく食べている給食が、自分たちの体のことを考えて作られている――。今回学んだ三色食品群と毎日の給食が、子どもたちの中でつながった瞬間でした。

調理室の前には、日頃から三色食品群の掲示があり、給食の時間にも「これは何色かな?」と食べ物の役割を確認しながら食事を楽しんでいます。
食育を特別な活動だけで終わらせず、 日常の保育・日々の生活の中で積み重ねていくこと。それも東京児童協会が大切にしている保育のひとつです。
地域とつながることで、学びはもっと豊かになる
谷口さんは、保育園や小学校で食育活動を続ける中で、「朝ごはんは食べていても、おかずや野菜が少なく、栄養バランスが偏っているお子さんも少なくありません」と話します。
だからこそ大切なのは、「バランスよく食べること」を繰り返し伝えていくこと。

活動後には、「給食で野菜の話をするようになった」「今日はこれを食べてきたよ、と朝食について話す姿が見られた」といった声が園から届くこともあるそうです。
また、保育園児が楽しく参加できるよう、お絵描きを取り入れるなど、子どもの発達に合わせた工夫も重ねています。
地域で食に携わる専門家だからこそ伝えられることがあり、その学びを保育者が日々の保育へとつないでいく。
園と地域、それぞれの専門性が重なり合うことで、子どもたちの学びはより豊かなものになっていきます。
地域みんなで子どもの育ちを支える

すみだ中和こころ保育園の園長は、「この体験教室は、子どもたちが『食べることって大切なんだ!』と感じられるよい機会になったと思います。まさに、東京児童協会が掲げる『4つの育む』の中の『生きる力を育む』を伝えることができる、素晴らしい時間でした 」と語りました。
東京児童協会では、子どもの育ちは保育者だけでつくるものではなく、家庭や地域を含めた多くの人との関わりの中で育まれるものだと考えています。
日頃から親しんでいる地域のお店だからこそ、そこで働く人から直接教わったことが、子どもたちにとって身近で実感を伴う学びにつながっていきます。そして、その学びを保育者が日々の生活へとつないでいくことで、一度きりの体験ではなく、子どもたちの「生きる力」を育む経験として積み重なっていきます。
これからも東京児童協会は、地域とのつながりを大切にしながら、一人ひとりの子どもがさまざまな人と出会い、豊かな経験を重ねていける保育を実践していきます。
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