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東京児童協会コラム
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相撲を通して育つ心と挑戦する力 立浪部屋力士と園児たちの交流会|橋場そらとみどりの保育園大きなおうち

都内に24の保育園を運営する社会福祉法人・東京児童協会では、日々の保育の中で日本の伝統文化に触れる機会を大切にしています。その取り組みのひとつが、全園で行われている相撲体験です。
相撲を通して礼儀や伝統を学び、勝ち負けを経験することで心を育むことを目的としています。
今年も、「お相撲さんドットコム」の協力のもと、立浪部屋から2名の力士が来園。相撲のルールや四股の踏み方を、本物の力士から直接教わる貴重な機会となりました。
今回は、橋場そらとみどりの保育園大きなおうちで開催された、3園合同の相撲体験の様子をレポートします。
目次
大きな力士を前に圧倒される子どもたち

この日は、橋場そらとみどりの保育園大きなおうちに、なかのまるのなか保育園大きなおうちと、学び処世田谷保育屋敷わびさびあそびの2園が来園し、3園合同の相撲交流会が開催されました。
立浪部屋からは、刻竜浪(こくりゅうなみ)と筑波山(つくばやま)のお二人が参加してくださいました。
大きな声で、「おすもうさーん!」と呼んだ子どもたちですが、実際にお二人が部屋に入ってくると、その大きさに驚きを隠せない様子。「おおきぃ!」「ほんものだぁ!」という声が響きわたります。

まずは、みんなで準備体操をします。
運動の前の準備体操はとっても大事。力士のお二人の真似をして、子どもたちもストレッチに挑戦。
体の柔らかさにびっくりです!
準備体操が終わったら、今度はみんなで四股を踏みます。園でいつも相撲ごっこをしている子どもたちも、上手に四股が踏めています。

その後も、「仕切りの型」や「攻めの型」、「防ぎの型」、「四つ身の型」、「反りの型」などを練習していきます。
1つ1つの型の名前を聞きながら、真似していきます。子どもたちは、たくさんある型を覚えるように、しっかりと練習していました。

実際に相撲をとってみる!

準備体操が終わった後は、刻竜浪と筑波山の3本勝負を見学。
こんなに間近で、本物の力士の取り組みを見ることはなかなかできません。子どもたちも真剣な表情で、お二人の取り組みを見ていました。
「頑張れ~!」という掛け声をかけたり、勝負が終わると拍手をしたり。
相撲そのものへの関心が強いことが伝わってきます。

お相撲さん同士の取り組みを見た後は、子ども達が実際に相撲を取る番です。
2人組み、3人組になって挑戦しますが、勝てるでしょうか?

大きな力士に物おじせずに向かっていく子どもたち。
園での生活の中で、「相撲」との触れ合いが多いことが理由なのでしょうか。
今回参加した、3園の先生からも、参加した感想を聞いてみました。
学び処世田谷保育屋敷わびさびあそび 清水園長
今年の年長児は、昨年から相撲に取り組んでいます。園の近くにある世田谷八幡には野外土俵があり、園児たちと相撲を見に行ったこともあります。ちゃんこ作りに挑戦したり、自分たちでマイまわしを作ったりしてきたので、実際に力士が会える今日をとても楽しみにしていました。
実際に会ったら、大きさに圧倒されるかと思いましたが、ガンガン行っていました。決して強くはないのですが、意気込みはすごいんです(笑)。普段の私たちとの練習では物足りないのかもしれません。本物の力士の重さや大きさ、体温といったものが今日すごく伝わったのかなと思います。
昨年からの取り組みの集大成を今日迎えることができました。多分ここからまた火がつくと思います。
なかのまるのなか保育園大きなおうち 保育士
当園では、この一年間、「挑戦する」ことを目標に掲げ、様々な活動に取り組んできました。今日の参加に対して、最初は「負けるのがイヤ」とか、「ちょっとイヤだな」という声もあったのですが、思ったよりも力士に向かっていくことができていましたし、楽しくていい経験になったと思います。
今日の子どもたちを見て、挑戦することの大切さを実感しました。最初は不安や抵抗感がありましたが、実際に他園の子どもたちと関わることで、新しい発見や気づきがたくさんあったので、とても意味のある活動になったと感じます。
橋場そらとみどりの保育園大きなおうち 保育士
普段、なかなか保育園同士の関わりが難しい中、3園合同で相撲を通して交流することができてよかったです。子どもたちは、本物の力士はすごく強かったということを実際に体験できましたし、すごく楽しそうな姿を見ることができました。
実際に見たら怖気づくのかなと思っていたのですが、実際は積極的に参加していたので、すごく良い経験だったと思います。
終わった後は、「ちょっと怖かった」「大きかった」と言っていましたが、「でも、頑張れた」とも話していました。お相撲さんたちもすごく手加減してくれていたと思うんですが、勝てて嬉しいと喜んでいる子どもたちもいました。
やはり24園もあると、他の園と関わる機会がなかなか取れないので、今日のように同じ年代のお友達と一緒に過ごす時間も貴重だなと感じます。
刻竜浪と筑波山にもお話を聞きました

――園児たちと相撲を取ってみて、いかがでしたか?
刻竜浪:とても可愛らしくて、元気のいい園児たちだなと思いました。
筑波山:本気でぶつかってくる子もいれば、控えめな子もいて、それぞれ個性がありましたね。勢いよく来る子からは力強さも感じました。
――こうした触れ合いを通じて、将来相撲に興味を持つ子どもが増えることについては?
刻竜浪:こういう経験をきっかけに、「相撲をやってみたい」と思ってくれる子が増えたら嬉しいですね。
筑波山:一人でもそう思ってくれたら十分です。
――お二人は、なぜこの世界に入られたのですか?
筑波山:テレビで相撲を見て興味を持ち、この世界に入りました。
刻竜浪:高校で相撲部に所属していて、立浪部屋に声をかけていただいたのがきっかけです。もともとは大学進学を考えていましたが、この道を選びました。
――ちゃんこの話も印象的でした。
筑波山:部屋ではちゃんこ当番があり、普段から料理をしています。刻竜浪は、ちゃんこ長なんです。
刻竜浪:子どもたちから、ちゃんこの作り方について質問をされたのですが、力士が作るごはんはすべて「ちゃんこ」なんです。でも、それをどう説明していいかわからなくて、鍋の味付けを伝えたのですが、「自分たちで作ってみたい」という気持ちが伝わりました。相撲だけでなく、食や文化全体に関心を持ってくれているのはうれしいです。
――今回の交流を通して、伝えたいことは?
筑波山:相撲はスポーツであると同時に、日本の伝統文化の一つです。礼儀や仲間との絆、努力の大切さなど、多くのことを学べる世界だということを知ってもらえたらうれしいです。
――子どもたちと接する際に心がけていることは?
刻竜浪:怖がらせないよう、できるだけ優しく接することです。相撲の楽しさや面白さが伝わり、将来この道を目指したいと思う子が一人でも増えてくれたらと思っています。
これからも相撲を通して
東京児童協会が相撲体験を続けるのは、相撲がただの遊びやイベントではなく、日本の文化や礼儀、そして人としての心の育ちにつながると考えているからです。勝つ喜びも、負ける悔しさも、どちらも子どもたちの力になります。「表面的ではない本当の日本文化」に触れながら、これからも日々の保育の中で、子どもたちの心を育む時間を大切にしていきます。

