社会福祉法人 東京児童協会

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都会のまんなかで育つ子どもたちのハロウィン|昭和こども園

都会のまんなかで育つ子どもたちのハロウィン|昭和こども園

東京都内に24の認可保育園と認定こども園を運営する東京児童協会。その中の一つ、「昭和こども園」は、東京駅前の高層ビル群の中にある東京ミッドタウン八重洲にあります。

「昭和こども園」は、都心という特異な環境を活かしながら、地域とのつながりを大切にした保育を行っています。園庭や自然が身近にない代わりに、子どもたちは日々、街の人たちとふれあいながら成長しています。

今回は、東京ミッドタウン八重洲に入る店舗のみなさまご協力のもと、子どもたちが大好きなハロウィンのイベントを行った様子をお届けします。また、三井不動産株式会社のエリアマネジメントを担当されるみなさまにもお話を聞きました。

2グループに分かれてのTrick or Treat

ハロウィンを楽しみにしていた子どもたちは、それぞれお気に入りの仮装で気合十分!

三井不動産のみなさまから、今日のハロウィンイベントの説明を聞いて、お菓子をもらいに出発します!

今回は、1、2歳グループ(24名)と、3歳以上のグループ(44名)の2グループに分かれて、「Trick or Treat」へと出発です!

1、2歳の子どもたちは、商業施設の中を歩くので、目立つようにカラー帽子をかぶっています。プリンセスやかぼちゃなど、みんなかわいい仮装をしていますね!

3歳以上のグループは、2階にある「ヤエスパブリック」の9店舗をまわってお菓子をもらいます。

1、2歳グループは、地下にある6店舗をまわりました。

東京駅の前にある商業施設の中を、仮装した子どもたちが歩きます。すれ違うオフィスワーカーのみなさんが、子ども達の様子を見て顔をほころばせているのがとても印象的でした。

昭和こども園の子どもたちは、仕事で疲れたオフィスワーカーのみなさんに癒しを与える存在になっているかもしれませんね!

店舗の皆さまの参加協力で成り立つ交流

大きな声で、「Trick or Treat!」と言いながら、順番にお菓子をもらってまわります。開店前の忙しい時間にも関わらず、子どもたちのためにハロウィンイベントに参加協力してくださっているみなさん。子どもたちに優しい言葉をかけながら、1人1人の目を見てお菓子を配っていました。

お菓子を入れる袋が溢れるほどのお菓子をもらい、子どもたちは大興奮!

「ありがとう!」 お菓子をもらった子どもたちは、しっかり大きな声でお礼を伝えていました。各店舗で、子ども達のために用意されたお菓子やプレゼント、どれもかわいいものばかり。

毎年、パン作り体験をさせてもらっている「ポワン・エ・リーニュ」さんからも、パンのプレゼントをいただきました。子どもたちからは、「早くたべたーい!」という声が!

人と街が共に成長していくために

(左から)
三井不動産ビルマネジメント 重松 早紀さん 田谷 涼平さん
三井不動産 木村 優美さん
昭和こども園 岩本園長

 

――こども園で子供たちと地域とのつながりを大切にした活動を行っているのはなぜでしょうか?子どもたちにとって、地域との関わりは重要なのでしょうか。

岩本園長:子どもたちにとって、地域と社会のつながりはとても大切です。東京駅前である昭和こども園は「人」「歴史と未来」「日本と世界」が対話する街の中の園として、子どもや子どもにかかわる人々をつなげ未来を描く活動を展開していきたい、というコンセプトがあります。人や社会のつながりとして、ミッドタウンの皆様との関わりがとても重要となっています。人との関わりから、挨拶、地域に親しみを持ち、感謝の気持ちが生まれたり、社会のつながりへとつながっていくのではと思っています。

――御社がエリアマネジメントとして大切にしていることを教えてください。

木村さん:人と街が共に成長していくことを大切にしています。通常、オフィスワーカーと子どもたちが関わる環境は少ないですが、複合施設という特殊な環境の中で、ワーカーと子どもたちが接点を持てるようなイベントや地域連携の行事を行っています。

――この環境(小学校やこども園がオフィスビル内にある)ができた理由は何ですか?

木村さん:もともとこの再開発区域内に小学校があり、建て直しの際に一度廃校にする案もありましたが、地域の方からの要望で残すことになりました。

岩本園長:中央区では区立小学校に区立幼稚園が併設されていることが多いです。以前は城東小学校に昭和幼稚園が併設されていました。昭和幼稚園は休園になりましたが、再開発にあたり、新しい形でこども園として運営することになりました。

――住宅街の園とビジネス街の園、両方の運営を経験されて感じる違いは何ですか?

岩本園長:園庭があって、子どもたちが自由に安全に遊べる環境や自然の中を散策することも大切です。しかし、この施設にはそういった環境がないため、隣接する施設や学校・企業との協力関係を大切にしています。自然の中で育つことも大切ですが、この街の中で多様な人と関わりながら育つことにも、同じくらいの価値があります。ここにしかない“学びの自然”があると思っています。

――ハロウィンイベントは最初からの計画だったのですか?

木村さん:最初から計画されていたわけではなく、園長が積極的に声をかけて実現しました。

岩本園長:先ほどのねらいの下、一年目から地域の皆様にご協力をお願いすることで、子どもたちがこの園でしかできない人との関わりの体験になるのでは・・・と「ずうずうしく」お声をかけさせていただきました。

――ハロウィンイベントを実施してみてどうですか?

重松さん:子どもたちがかわいすぎるという印象があります。こども園とオフィスが分断されるのではなく、地域の一員として子どもたちもイベントに参加することでコミュニケーションが生まれ、優しいまちづくりに寄与していると実感しています。

――ハロウィンに参加するお店はどのように決まるのですか?

田谷さん:商業エリアを運営している会社が、お店にお声がけしています。参加できないお店には不動産会社がお菓子を用意するなど、みんなで一つのイベントを作り上げています。

――昭和こども園に期待することは何ですか?

木村さん:期待以上のものになっていると思います。オフィスと教育機関が共存することは珍しく、子どもたちがいることで大人たちも癒しや活力をもらっています。目に見えないビルの価値向上に貢献していただいていると感じています。

――この環境で育つ子どもたちが得られる特徴は何ですか?

岩本園長:法人の方針にもなっている4つの育み(生きる力を育む、思いやりを育む、学びに向かう力を育む、夢を育む)があります。その中の思いやりの部分について、この園では、ビジネス街、または八重洲、日本橋といった歴史ある地域として、また新しいビジネス地域での「人」との関わりを体験し、優しさ、感謝の気持ちを培うこと。そして夢を育むについて、この地域を親しみ、ミッドタウンの企業様の会社見学を行って、最新の会社の環境に関心をもったり、その仕事自体に興味を持つことにつなげることができる園なのではと、思っています。
何よりもすべての人に「ありがとう」が言える、思いやりいっぱいの子どもに育てられる環境なのでは、と思います。

都会の真ん中で、ビジネスと子育てが共存する環境。一見、相容れないように思われますが、東京ミッドタウン八重洲では、その2つが自然に寄り添い、互いに豊かさを生み出しています。
子どもたちの笑顔が、硬い表情のサラリーマンの表情を和らげ、大人たちもまた、子どもたちから活力をもらう。
まさに、人と街が共に成長する、新しいコミュニティの形です。

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