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保育士の社会的地位向上への想い 『次の100年を育む仕事』をつくった4人が語る、保育の価値

保育士の社会的地位向上への想い 『次の100年を育む仕事』をつくった4人が語る、保育の価値

「保育士は、子どもを預かる人ではない」——。東京都内に24の認可保育園と認定こども園を運営する社会福祉法人 東京児童協会は、保育士という仕事の価値を社会へ伝えるブランドムービー『次の100年を育む仕事』を制作しました。原点は2018年。「保育士が自分の仕事を誇りに思える映像をつくりたい」という想いから始まった職員向けのインナーブランディング映像でした。その想いをさらに発展させ、今回、社会へ届ける映像として完成しました。

2026年度のはじめ、全職員が集まる辞令式での上映後には、「自分の仕事を誇りに思えた」「涙が出た」「改めて保育士になってよかったと思った」といった声が職員から寄せられ、大きな反響を呼びました。

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なぜこの映像は生まれたのか。そして制作チームは保育の現場で何を見て、何を感じたのか。

映像制作を手がけたクリエイティブディレクター 丹野英之氏、コピーライター・プランナー 林潤一郎氏、映像ディレクター・撮影 大滝洋平氏、そして東京児童協会 経営戦略室 室長 菊地元樹に、『次の100年を育む仕事』に込めた想いと、保育士という仕事の価値について語っていただきました。

 

出席者(左から)

株式会社POOL クリエイティブディレクター 丹野 英之

東京児童協会 経営戦略室 室長 菊地 元樹

株式会社POOL コピーライター・プランナー 林 潤一郎

株式会社POOL 映像ディレクター・撮影 大滝 洋平

保育士が、自分の仕事を誇りに思える映像を

菊地:2018年に、「保育士が自分の仕事に誇りを持てるようにすること」を目的として、職員だけが見る映像を作りました。それが非常に好評で、職員のモチベーション向上にもつながりました。「今度は外部の人にも見てもらえる映像を作りたい」という想いがずっとあり、今回それが実現しました。

丹野さん:最初、僕たちが提案したのは、子どもたちを主人公にした構成だったんです。子どもたちはかわいいですし、元気ですし、どうしてもそこに目が行く。でも菊地さんから「それじゃ違う」と言われました。

「保育士が見たいのは、子どものかわいらしさだけではない。その裏側で、保育士たちがどれだけ考え、悩み、努力しているかなんだ」と。そこで方向性を大きく変え、保育士自身が主人公になり、自分の仕事を誇らしく思える映像にしようということになりました。

林さん:正直、その時にハッとしましたよね。保育士が見たいのは子どものかわいさじゃない。自分たちが日々やっている仕事の価値なんだと。

丹野さん:今回、制作にあたり2つの方針を決めました。ひとつは、一人に焦点を当ててストーリー化すること。映画のように共感できて入り込めるという狙いです。もうひとつは、ドキュメンタリーにしようということ。作られた世界だと嘘臭くなりますし、きれいごとになってしまう。例えば、怒ってるシーンとか、雑巾を洗ってるようなところ。そういう部分にも密着して、リアリティを出していこうっていう話をしました。

大滝さん:保育士さんに、「こうしてください」「ここで笑ってください」という演出はほとんどしていません。普段の仕事を、僕はいないものとしてやってくださいと伝えました。ありのままを撮っても成立するというか、それが一番伝わると思ったからです。なので、朝から夕方まで密着し、本当に日常を撮り続けました。

現場で知った、保育士という仕事のすごさ

林さん:僕は子どもを保育園に預けている親なんですけど、やっぱり日中の様子って見えないんですよ。今回初めてその裏側を見ました。

大滝さん:本当にすごかったですよね。先生たちが先の先まで考えて動いている。目の前の子どもたちに対応しながら、次の活動、その次の活動まで見ている。

丹野さん:僕も映像を見ながら思ったんですけど、あれだけ不確定要素が多い現場で成立しているのがすごい。毎日ライブですよね。

菊地:まさにそうなんです。子どもたちって予定通りには動かないので(笑)。だからこそ保育士には柔軟性も判断力も必要なんです。

忘れられない「叱るシーン」

大滝さん:僕が一番印象に残ったのは、保育士が子どもを叱る場面。あのシーンは迷わず入れようと思いました。保育士という仕事の本質が出ていると感じたからです。ただ優しいだけじゃない。子どもの未来のために、本気で向き合う。だから叱る。

菊地:私もあそこが好きなんです。保育士の本質が出ていると思うので。

丹野さん:普通だったらカットするシーンかもしれないですが、僕たちは逆にそこを見せたかった。

林さん:ただ優しいだけじゃないんですよね。未来のために叱る。それってすごく愛情のある行為だと思いました。

大滝さん:自分の子どもじゃない子に、あそこまで真剣に向き合えるのは本当にすごいです。

「次の100年を育む仕事」はどう生まれたのか

林さん:コピーは本当に何度も話し合いました。保育士って何をしている人なんだろうって。その答えが「未来を育てる人」だったんです。

丹野さん:今の子どもたちが大人になり、その子どもたちがまた次の世代を育てる。保育士の仕事って100年先につながっているんですよね。

菊地:まさにそうです。保育園で経験したことが人生を変えることもありますから。

大滝さん:撮影していてもそれを感じました。子どもたちの「はじめて」が毎日生まれているんですよね。

保育士という仕事を、もっと誇れる社会へ

菊地:僕がずっと願っているのは、保育士の社会的地位向上です。本当に価値のある仕事なのに、その価値が十分伝わっていない。

丹野さん:今回の制作で僕自身の見方も変わりました。もっと評価されるべき仕事だと思います。

大滝さん:現場を見た人なら絶対そう思いますよ。本当に尊敬しかないです。

林さん:保育士という仕事はAIにも代替できない仕事だと思うんです。人だからこそできる。だからこそ価値がある。

菊地:保育士ってすごい仕事なんだ。まずはそう思ってもらうこと。そのきっかけになれば、この映像を作った意味があると思っています。

保育士は、子どもを預かる人ではない。

子どもたちの「はじめて」に寄り添い、未来への土台をつくる人。

この映像を通じ、その価値がもっと社会に伝わることを願っています。

 

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