平野レミさんによる読み聞かせイベントを開催|花房山目黒駅前保育園333

東京都内に24の保育園・こども園を運営する社会福祉法人 東京児童協会では、子どもたちが「言葉」「食」「人」と出会う体験を大切にしています。
今回は、花房山目黒駅前保育園333に、料理愛好家・平野レミさんをお迎えし、子どもたちへの読み聞かせイベントを実施しました。
普段、テレビで見ている平野レミさんが目の前で絵本を読んでくれる。
子どもたちにとって、とても貴重な体験となった今回のイベントをレポートします。
「レミさ~ん!」子どもたちの大きな声が響きます

今回の読み聞かせには、3〜5歳の子どもたちが参加しました。
はじまる前から、「今日は、誰が来てくれるのかなぁ?」という先生の問いかけに、「レミさーん!」と答える子どもたち。
レミさんの登場を待ちわびています。
レミさんが読み聞かせをしてくれるのは、1月23日発売の『オイチーニ、パスタ!』。この絵本は、レミさんが初めて翻訳を手掛けたパスタの絵本なんです。
子どもたちが、大きな声で「レミさーーん!」と呼ぶと、レミさんが登場!
「みなさん、こんにちは! 平野レミです。よろしくお願いします!」
レミさんも、子どもたちの大きな声に負けない声で挨拶をしてくれました。

「みんな、パスタって知ってる? 今日は、パスタの絵本をみんなに読みたいと思います!」
レミさんが聞くと、子どもたちは、「知ってる~!」と返します。
レミさんの明るく親しみやすい語りかけに、子どもたちは自然と引き込まれ、物語の世界を楽しみながら聞き入っていました。

読み聞かせの中では、パスタをテーマにしたやりとりがあり、形や名前について考えたり、「何に見えるかな?」と想像をふくらませたりする場面が見られました。
実は、この読み聞かせ会に向けて、保育士たちは事前準備を重ねてきました。

絵本の中に登場する「ペンネのネックレス」のページに合わせ、タピオカ用のストローを使ってネックレスを制作。読み聞かせ当日、子どもたちは実際にネックレスを身につけながら物語を楽しみました。

ただ、読むだけでなく、絵本の世界と現実の体験をつなげていく。
絵本の中で想像したことが、目の前の体験として立ち上がることで、物語はより立体的に心に残っていきます。
絵本から給食へ「体験⇔絵本」の循環

読み聞かせの後は、子どもたちからレミさんへの感謝の気持ちを伝え、この日のために描いた絵をサプライズでプレゼントしました。
東京児童協会の園では、日頃から働く大人や地域の方々へ感謝を伝えることを大切にしています。
勤労感謝の日に手紙を渡す活動などを通して、「ありがとう」を言葉や形で表す経験を重ねてきました。その日常の積み重ねが、このような行動に自然とつながるのでしょう。
「ありがとう! お家に飾らせてもらいます」
レミさんの言葉に、子どもたちも誇らしげな表情を見せていました。
さらにこの日、レミさんからはパスタのプレゼントもいただきました。そのパスタは、後日、園の給食やおやつとして登場する予定です。
絵本の中で想像した食べものを実際に味わうという体験をする。東京児童協会では、こうした「体験⇔絵本」の循環を保育に取り入れています。
読み聞かせ、制作、食体験までを一貫して設計しているのは、保育士や栄養士のみなさんです。
子どもたちの学びが一過性で終わらないよう、日常の保育につながる形で丁寧に組み立てています。
食卓は「叱らない場所」レミさんへのインタビュー

――今日、実際に園児たちに読み聞かせをしてみていかがでしたか。
子どもたちに読み聞かせをするというのは、初めての体験でした。3歳から5歳と聞いて、「まだ小さくて、どこまでわかるのかな?」と思っていたんです。でも、みんなちゃんと私の話を聞いて、ちゃんと笑ってくれました。「レミさん、レミさん」って名前を呼んでくれたのが、本当にかわいくて。来世は保育園の先生がいいなって思いました(笑)。
――子どもたちの反応で、印象的だったことはありますか。
パスタの名前をちゃんと知っていたことです。きっと今日のために、一生懸命覚えてきてくれたんでしょうね。子どもって、ちゃんと見ているし、ちゃんと感じているんだなと感動しました。

――レミさんが、ご自身の子育ての中で大切にしてきた食育について教えてください。
うちは、勉強部屋で宿題をさせなかったんです。必ずキッチンに呼んで、「ここで宿題しなさい」と言いました。子どもたちには、私が料理をしている姿を見せながら、水道でゴボウを洗う音、包丁で切る音、炒める音、匂い……全部を感じさせていました。「お腹すいた」と言われたら、「もうすぐだから、ちょっと待ってね」って。その“待つ時間”も大事なんです。
――ごはんができていく過程を横目に宿題をするんですね。
そう。心を込めて作ったごはんは、やっぱり違うんです。子どもは何も言わないけれど、「自分のために一生懸命作ってくれている」って、心でちゃんと感じている。私は、食べることは愛だと思っているんです。
――レミさんがごはんを作る様子を見て育った息子さんたちは、お料理が上手だそうですね。
息子たちに料理を教えたことは一度もないんです。でも、ずっと見て、味を知っているから、自然とできるようになったみたい。お嫁さんたちから、「料理ができるから幸せです」なんて言われるので、それが何よりうれしいですね。
――食事中の関わり方で、意識されていたことはありますか。
食事の時間に、宿題のことやダメ出しをするとごはんの時間が嫌いになっちゃうから、食卓では小言を言わない。楽しく笑って食べるということは意識していました。言いたいことがあったら、「ごちそうさま」のあとに呼んで話すようにしていました。
――最後に、今の保護者や保育に関わる方へメッセージをお願いします。
スキンシップもいいけど、私はベロシップが大事だと思っています。お母さんの作った味を、ちゃんと子どもが覚えていること。その味は、私がいなくなっても、子ども、孫、その先まで残っていく。
「これがおばあちゃんの味だ」って。それが家族の絆なんです。
日々の風景そのものが、食育になる
平野レミさんが語ってくれた、「ごはんを作るところを見せながら」という考え方は、東京児童協会が大切にしている保育観とも重なります。
全ての園で、キッチンが見える施設設計になっているのも、調理の音や匂い、出来上がっていく過程を、子どもたちに”体験”として届けたいという思いからです。
キッチンで過ごす時間、待つ経験、安心して食べられる食卓。絵本の世界と日常の体験が行き来する中で、子どもたちの感性や人との関わりは、少しずつ育まれていきます。
今回のイベントは、平野レミさんの読み聞かせをきっかけに、保育士・栄養士・子どもたちが一体となってつくり上げた「体験型の食育」の一例となりました。
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