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地域に密着型ボクシング体験イベントレポート|台東区「台東区立たいとうこども園」

地域に密着型ボクシング体験イベントレポート|台東区「台東区立たいとうこども園」

2021年11月某日、東京都台東区にある認定こども園「台東区立たいとうこども園」で、ユニークな企画が開催されました。

それは、地元の「矢代ボクシングフィットネスクラブ」(東京都台東区三ノ輪1-28-15 小川ビル4・5F)代表の矢代義光さん(第42代 日本S・フェザー級チャンピオン)と、同ジムのマネージャーとして尽力する、岡田由希さん(日本代表コーチ)を指南役に招き、ボクシングに親しんでもらおうというもの。

スポーツプロジェクト企画開催!

じつは今回が第二回目の開催で、第一回目はコロナ禍になる前のこと。そのときは、努力の結晶でもある矢代さんのチャンピオンベルトを披露してくれたり、子どもたちにグローブをはめてもらいミット打ちなどを行ったそう。

ですが、コロナ禍での実施となると、道具の共有や、多くのスタッフを連れてのイベントとなり、難しい部分も。

そこで、第二回目となる今回は、趣向を変えて身一つでできる内容に変更しての開催となりました。さっそく実際の様子をレポートします。

子どもが夢中になるプログラム!


園のステージに上がった矢代さんと岡田さん。挨拶と自己紹介を終えてから、全員でストレッチ体操。子どもたちは、今から始まるプログラムに胸を躍らせ、思わず笑顔に。十分体もあたたまってから、いよいよ本格的にプログラムの開始です。


子どもに人気のアニメソングや人気曲をバックミュージックに、ボクシングのポーズを取り入れたり、跳ねたり飛んだり、ペアになったりと、ステージ上の岡田さんをお手本に、見様見真似でアクティブに体を動かす子どもたちと先生。

普段から、子どもから大人までのプログラムを行う岡田さんの絶妙な合いの手も入り、あっという間に子どもたちは夢中。園内は熱気ムンムンの大盛り上がりです。

じつはこの当日のプログラムは、即興だそう。日頃ジムで行っているプログラムをベースに、子どもたちの年齢や当日の様子を見ながら臨機応変に組んでいるというから驚きです。

数曲のプログラムを終えると、休憩タイム。子どもたちは、座り込んだり、床に突っ伏して「疲れた~」と言いつつも、満面の笑みで気持ちの良い疲労感を味わいます。


その後、後半戦に突入するやいなや、今までの休憩タイムが嘘のように、待ってました!とばかりに、勢いよく立ち上がり、即興プログラムを楽しむ子どもたち。こうして盛り上がった約45分のプログラムはあっという間に過ぎていきました。

子どもたちからの質問コーナー!


続いて、矢代さんと岡田さんへの質問コーナーが始まりました。

どうしたら強くなれるんですか?」「なんで日本一になれたんですか?」といった子どもたちからの質問に、わかりやすい言葉で答える矢代さん。

「体を強くするためには、今みたいに運動をすることと、好き嫌いをしないで食べること、夜はしっかり寝ること」「自分一人だけではできなかったけど、家族や応援してくれる人がいたからこそ、日本一になることができました。だから、そういう人たちに感謝することはとっても大切なことです」

チャンピオンという夢を実現した人だからこそ、その言葉はより重みを増します。

最後は、子どもたちが、先生の合図で、心から感謝の言葉を伝えます。「ありがとうございました!」と園内に響き渡る大きな「感謝の挨拶」でボクシングイベントは終了しました。

地域とのつながりが大切

ものの数分で子どもたちの心をわしづかみにした今回の企画も大盛況に終わりました。なにより、元チャンピオンの矢代さんや日本代表コーチとして活躍中の岡田さんから、直接指導を受けられる滅多にない機会。こうした企画が実施できた背景には、関わる人たちが「地域とのつながり」を大切にしているからにほかなりません。

矢代さんは、今回の企画で、運動の楽しさや感謝の心、目標を持って頑張れる力を身に付けるきっかけになってほしいと願うと同時に、かつて自身が地域の人たちに支えられてきたからこそ、実際に自身が大人になったいま、地域の人たちに恩返しをしたい、地域の大切さを伝えたい……そんな想いも秘めています。

もともと企画実施は、台東区議会議員あおしか くにおさんからの紹介だったそう。この日も最初から最後まで興味深く見学していて、さらに地元の小学校でも同様のイベントをサポートするなど、自ら積極的に地域に関わる頼れる存在。

また、この日も子どもたちと一緒に汗をかきながら思い切り体を動かして参加していた池田 美恵子園長先生。地域とのつながりに重きを置き、社会性を育んでほしいと願い、先入観なく柔軟にこうした企画を受け入れる体制を整えています。

そんな地域に寄り添い連携できる環境は、きっと未来を担う子どもたちの経験や心をより豊かにしてくれるに違いありません。