Column
東京児童協会コラム
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遊びながら世界を体験!月に一度の異文化交流の日|花房山目黒駅前保育園333

東京都内に24の保育園・こども園を運営する社会福祉法人 東京児童協会では、外国人講師との触れ合いを通して、子どもたちが自然に異文化を学べる環境を大切にしています。知識を教え込むのではなく、遊びや交流の中で「楽しい!」と感じる気持ちから、言葉や文化への興味が育まれていきます。
今回は、花房山目黒駅前保育園333で行われた「異文化交流の日」の様子をご紹介します。
英語でのやりとりにチャレンジ!
この日の講師は、アレックス先生。東京児童協会のほとんどの園で講師経験のあるベテランの先生です。
年長さんクラスになると、アレックス先生のことを覚えている子どもたちも多いので、はじまる前から楽しそうな雰囲気が漂っています。
異文化交流の日は、年齢別に30分毎の英語のレッスンがあります。
アレックス先生が挨拶をした後は、子どもたち一人ひとりが前に出て英語での挨拶をします。
アレックス先生:「what's your name?」
園児:「My name is 〇〇」
アレックス先生:「How are you?」」
園児:「I'm happy!」
先生の横に立ち、英語でされる質問に、しっかりと英語で答えます。
少しドキドキしながらも、一人ひとりが前に出て、英語での挨拶に挑戦。自信にあふれた表情が印象的でした。
歌やゲームで楽しむ30分
レッスンは30分。子どもにとっては少し長い時間ですが、歌やゲーム、フラッシュカードを交えながら、あっという間に過ぎていきます。
アレックス先生がA4サイズのフラッシュカードを順番に出すと、子どもたちはそのカードの色を英語で答えていきます。
「Yellow!」「Blue!」
色を答える声も元気いっぱい。夢中で楽しんでいる様子に、見ているこちらまで笑顔になりました。
フラッシュカードの後は、絵本タイム。アレックス先生が表情豊かに絵本を読んでくれるので、子どもたちは真剣に耳を澄ませます。
この日は、最後に英語版の「だるまさんがころんだ」のゲームをしました。
本当に楽しそうな子どもたちの様子から、月に一度のこの時間、子どもたちにとってワクワクの時間になっていることが伝わってきました。
最後はアレックス先生とハイタッチ!「また来月ね!」と笑顔でレッスンを終えました。
異文化にふれる楽しいひととき
英語のレッスンを取り入れている保育園はたくさんあると思いますが、東京児童協会は英語のレッスンだけで終わりません。
レッスンを終えたアレックス先生は、園の中で子どもたちと一緒に絵本を読んだり、お話したりして時間を過ごします。
この時間に、アレックス先生はご自身が生まれ育ったアリゾナ州についての話などを子どもたちに伝えます。
「アリゾナ州には、すごく大きな3メートルくらいのサボテンがあるんです。その画像を見てもらいながら話しをしたり、15歳を祝うキンセアニェーラという、日本では成人式みたいな儀式のダンスを踊って見せたり。レッスンの時間も楽しいですが、僕は、この異文化交流の時間がすごく楽しいんです。子どもたちは新しいことに対する抵抗が少なく、自然に受け入れてくれるので、異文化や言葉に触れるのは、とても大切なことだと思います」
保育園に通う年齢から英語をやるのはすごくいい!
――アレックス先生は、児童協会以外ではどのような場所で英語を教えているのでしょうか。
学童で英語とカポエラを教えています。カポエラは、踊りと格闘技とブレイクダンスが全部混ざったようなブラジルの文化です。打楽器の演奏や歌など、いろんな要素が詰まっていて、体幹が鍛えられたり、リズム感が身に着いたりするので、子どもにすごく良いと思います。
――児童協会では、月に1度異文化交流と言葉に触れる時間を設けていますが、そのことについてどう感じますか?
英語に限らず、「これやってみよう!」ということに対して抵抗が少ない年齢なので、保育園に通うような年齢から言語を学ぶのはすごく良いことだと思います。やはり、言語は早い方が良いと思います。
――今日のレッスンを見ていると、子どもたちに英語への抵抗感がないように感じました。きっとレッスンにたくさんの工夫をされているのだとおもうのですが、具体的に意識していることを教えてください。
英語に対して抵抗はなくても、中には恥ずかしいと思っている子もいるはずです。なので、集中できるスイッチが入るきっかけとして歌や音楽、動きを取り入れています。フラッシュカードを使うときも、動きを混ぜて記憶にインプットされやすいように工夫しています。
――30分、集中力が切れてなかったですもんね。その他に、意識されていることはありますか?
日本だと、ひらがなを習ってから漢字を習うじゃないですか。アメリカだと、幼稚園で「P」は「プッ」、「B」は「ブッ」という音だということを教えてもらうんです。日本はそれを飛ばして教科書英語を学びはじめます。なので、僕は、学童や児童協会のこの時間ではそういう基礎的なことを意識して教えています。
月に一度の「異文化交流の日」は、英語を学ぶ時間であると同時に、違いを知り、認め合う心を育む大切な時間でもあります。
遊びや交流を通じて、世界の広さを感じられること。それが、東京児童協会が目指す学びの姿です。