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東京児童協会コラム
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「いのちキラキラプロジェクト」第5弾のテーマは「プライベートゾーン」|千代田区神田淡路町保育園大きなおうち
東京都内に24の認可保育園と認定こども園を運営する社会福祉法人 東京児童協会では、看護師職員による「いのち、からだ、健康」をテーマにした健康教育「いのちキラキラプロジェクト」を開催しています。
平成27年から毎年続けられており、10年目を迎える「いのちキラキラプロジェクト」は、今年で第5弾を迎えます。コロナ禍で子どもたちを集めての開催が難しい時期は、オンラインで開催されていましたが、昨年から再び、各園での訪問型健康教育が開催できるようになりました。
プライベートゾーンって知ってる?
第5段目となる今年のテーマは、「プライベートゾーン」。参加するのは、年長組の子どもたちです。
子どもたちにとっても、知っておくべき大切な「プライベートゾーン」に関するお話。看護師チームが、わかりやすく、子どもたちが飽きないような工夫をしたオリジナル構成で作られています。
最初は、「プライベートゾーン」についてのお話。
「みんなは、プライベートゾーンという言葉を知っていますか?」
という問いかけに、子どもたちは大きな声で、「知ってる~!」と答えます。
水着を着た男の子と女の子のイラストを元に、プライベートゾーンについての説明がスタート。
「水着で隠れるところと、お口はプライベートゾーンと言います。ここは、人に見せたり、触らせりしてはダメです。お父さんやお母さんであっても、もし、「触られるのはいやだな」と感じた場合は、「イヤだ」「やめて」と言いましょう」
真剣な表情で説明を聞く園児たち。
男の子と女の子の体の違いについて学ぶ
続いては、フェルトで作られた小道具を使い、男の子と女の子の体にある大切なところのお話です。
「女の子の体には、胸があり、お腹の中には子宮があります。赤ちゃんのベッドになるところで、とても大事な場所です。
男の子の体には、おちんちんがついています。命のもとになる精子が作られる場所なので、蹴ったり、ぶつけたりしてはいけません。
みんなの大切な体を、誰かに触らせたり、写真を撮らせたりしてはダメなんです」
子どもたちにとって、言葉だけでの説明は難しいですよね。
そこで今回用意されたのが、こちらの小道具。肌を表す肌色のフェルトに、毛糸で編まれた子宮やおちんちんがついています。
おちんちんには、睾丸が入っています。
睾丸もとても大事なものだという説明をすると、子どもたちは、「はーい!」と少し不思議そうな顔をしていました。
だいじ、だいじ、どーこだ?の読み聞かせ
各園にも置いてある絵本「だいじ だいじ どーこだ?」を、先生たちが読み聞かせします。
子どもたちは、「知ってる~!」「読んだことある~!」とうれしそう。
いのちキラキラの話を聞いている子どもたちの反応を見ていると、普段からプライベートゾーンに対しての話をしっかり聞き、実践していることがわかります。
絵本の読み聞かせ後は、ききとららちゃんの人形劇です。
公園で知っているおじさんに、「写真を撮らせて」「一緒にあっちに行こう」と声をかけられるききとららちゃん、
子どもたちは、「ダメー!」「逃げて~!」と大きな声でききとららちゃんに声をかけていました。
最後に、同じ状況になったときにはどうしたらいいのか? というクイズを行いました。
代表で選ばれた園児が、正解を選びます。
このクイズの正解は、
①「いや! やめて! ダメ!」と伝える
②逃げる 離れる
③大人にはなす
子どもたちは、全問正解! しっかりとお話を聞けていました。
最後に、子どもたちに感想を聞くと、「怖いおじさんから逃げることができてよかった」「劇がちょっと怖かった」という意見が出ていました。
また、他の園では、「怖くて逃げられなかったらどうしたらいいの?」という質問があったそうです。
年長さんは、来年小学生になります。防犯ブザーの使い方や、近所にある「こども110番」のシールを貼ってある場所を保護者と一緒に確認しておきましょうというお話がされました。
いのちキラキラプロジェクトリーダー 山田先生
今年度の「いのちキラキラプロジェクト」メンバーを募ったときに、昨年担当してくれたメンバーのほとんどが手を挙げてくれて、今年さらに新しいメンバーが増え、8名で担当することになりました。
20代から50代まで、年齢層もさまざまで、それぞれに得意なことを担当しています。
昨年は、子どもの自己肯定感とプライベートゾーンをテーマに開催しました。
自己肯定を高める中に、「大人から愛される」ということがあります。抱きしめたり、タッチングをすることが愛情を伝えるためにはとても大事なことですが、子どもが「イヤだ」と感じるタッチングがあるということも事実です。
昨年は、テーマが2つになって伝えきれなかった部分があると感じたので、今年は、性被害から子どもを守っていきたいという想いのもと、新たに企画の練り直しをして、「プライベートゾーン」に特化した内容になりました。
メンバー全員が集まって会議をするのはなかなか難しいので、オンライン会議が多いのですが、黙っている人がいなくらいアイデア出しの会議が盛り上がるんです。担当しているメンバーが全員、子どもたちが、安心、安全で健康に育ってほしいという想いを持っているからこそ、会議があれだけ盛り上がるのだと思います。
児童協会は、全部で24園あります。合同開催や年長さんがいない園を抜くと、今年はその中の21園でこのプロジェクトを開催します。
毎回、園によって子どもたちの反応が違うので、とってもワクワクして、帰り道には、「良い1日だったなぁ」と感じながら帰ります。
保護者が参加する園もあるのですが、「なかなか子どもに伝えにくいことを、いろんな手法で伝えてくれてありがとうございます」と言っていただいたこともあり、このプロジェクトの意義を感じています。