Column
東京児童協会コラム
- 企業コラボ
- 地域交流
- 東京児童協会の保育
子どもたちの踊りに、作者もびっくり。絵本から広がった出会いの時間

絵本を届けに来てくださった作家さんを、子どもたちの踊りが驚かせる。そんな場面が生まれた一日でした。
2026年10月26日、東京児童協会の花房山目黒駅前保育園333に、絵本『パイナップル ほんとうはね』(徳間書店)の作者・高畠じゅん子さんをお迎えしました。
作者の声で物語に耳を傾け、「パイナップル音頭」に合わせて体を動かす。一冊の絵本をきっかけに、物語や音楽、さまざまな人との出会いへと、子どもたちの世界が広がりました。
絵本をつくった人が、いつもの園にやってきた
今回のきっかけは、園と同じビルに入居する徳間書店さんからのお声がけでした。身近なご縁から、絵本をつくった作家さんと子どもたちが、直接出会う機会が生まれました。
『パイナップル ほんとうはね』は、パイナップルの皮がなぜデコボコしているのか、その秘密をユーモラスな物語で描いた絵本です。畑を荒らすトラたちからパイナップルを守ろうと、「パイナかぞく」が修業を始めるという、思いがけないお話が展開します。
当日は、高畠さんが絵本を手に、子どもたちへ物語を届けてくださいました。目の前のページに視線を向ける子どもたち。
作者ご本人による読み聞かせを、身近な距離で味わいました。

お話を考え、絵を描いた人が、目の前でその絵本を読んでくれる。ページに描かれた世界だけでなく、声の調子や表情も一緒に受け取れるのは、同じ場所で過ごすからこそです。
絵本の向こうにいる作家さんが、この日は、いつもの園で物語を届けてくれる人になりました。
子どもたちの踊りに、高畠さんもびっくり
読み聞かせとともに行ったのが、「パイナップル音頭」です。
座って絵本に目を向けていた子どもたちも、今度は立ち上がって体を動かします。腕を大きく上げたり、手をたたいたり。そばにいる大人たちも加わり、会場には踊りの輪が広がりました。
実は、子どもたちはこの日までに、園でパイナップル音頭を練習していました。その踊る姿に、高畠さんも驚いていらっしゃいました。
絵本を届けてくださった作家さんに、今度は子どもたちが、踊りで応える。
「作家さんから子どもたちへ」だけではない、そんなやり取りが生まれた場面でした。

園で覚えた音頭を、作者ご本人と一緒に踊る。この日の出会いは、それまで園で積み重ねてきた時間ともつながっていました。
軽快な音楽に合わせて、同じ振付で体を動かす。読み聞かせでは物語を届けてくれた作家さんが、今度は一緒に踊る仲間になる。子どもたちと作家さんとの距離も、ぐっと近づくようなひとときでした。
さらに、音源のボーカルも、高畠さんご本人が収録されたそうです。
園で流していた音頭の歌声と、この日、目の前で聞いた読み聞かせの声。
その両方を高畠さんが届けてくださっていたことも、この出会いの面白さの一つです。
絵本を読むことに加え、歌や踊りを通じても、作品と作者に触れる時間になりました。
カメラマンさんの仕事にも、興味津々
この日、子どもたちの関心が向いたのは、絵本や踊りだけではありません。
撮影に来てくださった徳間書店のカメラマンさんの仕事にも、子どもたちは興味津々でした。
絵本をつくる人と、写真を撮る人。同じ場所に集まった大人たちが、それぞれ違う仕事をしています。読み聞かせの時間を写真に残す、その仕事にも子どもたちの興味が広がっていました。

大人にとっては記録を残すための撮影でも、子どもたちにとっては、目の前の人がしていること自体が、新しい関心の入り口になるのかもしれません。
私たちが用意した体験のそばに、子どもたち自身が見つけた関心もありました。
絵本に触れる機会が、さまざまな仕事をする大人との出会いにもなったこと。その広がりも、この日の大切な体験の一つでした。
身近なご縁から、ページの外へ
作者の声でお話を聞くこと。園で覚えた音頭を、一緒に踊ること。そして、その場にいる大人の仕事に目を向けること。
一つひとつは違う体験ですが、始まりには、一冊の絵本と、同じビルで働く方々とのご縁がありました。
特別な体験は、遠くへ出かけることだけで生まれるわけではありません。園のそばにいる人とつながり、その人の仕事や表現に触れてみる。いつもの場所にも、子どもたちの世界が広がる入り口があります。

また、出会いの中で何が印象に残るかは、子どもによって違うはずです。
絵本の物語かもしれませんし、みんなで踊ったことや、カメラマンの仕事かもしれません。
用意した内容だけに目を向けるのではなく、その場で子どもたちが何に心を動かしているのかも、大切にしていきたいと考えています。
東京児童協会はこれからも、地域やさまざまな分野の方々とのつながりを育みながら、子どもたちが興味を広げられる出会いをつくっていきます。
高畠じゅん子さん、徳間書店の皆さま、ありがとうございました。
